No.75 債務整理 ⇒ 破産手続開始申立事件

<事案>

 本人の転職や病気がちの母の生活費援助のため複数の消費者金融から借入れを行った結果,多重債務に陥り,毎月の返済ができなくなり,一旦は他の法律事務所で任意整理を行いました。しかし,任意整理後の返済も長続きせず,やむを得ず破産申立てを行いました。申立人には特に財産もなく,浪費等の事情もなかったことから,管財申立てではなく,同時廃止申立てという形で進めていきました。

<結果>

 債務が増えていった原因の部分については,依頼者様が自らの浪費等の事情で多重債務の状況を作り出したわけではなく、やむにやまれなかったという事情を詳細に説明しました。これにより,特に問題もなく破産が認められました。

<解決ポイント>

 裁判所に対して申立ての時点から説明を尽くした結果として,裁判所からも理解を得ることができました。家計収支表を丁寧に作成したことも,スムーズな事件終了に寄与したと考えられます。

【用語解説】

同時廃止事件 (破産法216条1項)

 破産者の財産が少なく,破産手続の費用の捻出ができない場合に,破産開始決定と同時に破産手続を終わらせる決定をする手続。上記引継予納金は不要であるが,裁判所の書面審査のため,原則申立時に必要資料をすべて提出し,事細かに報告する必要がある。

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